Stranger in Wonderland

forest

先月行ったワシントン州の森が忘れられなくて近場の森について調べていたら、Midpeninsula Regional Open Space District という公共の自然保護団体のサイトopenspace.orgにたどり着いた。この地域のトレイルがたくさん紹介されていて、ガイド付きのハイキングツアーなどもあるらしい。ちょうど週末に木を見るツアーがあったので行ってきた。

hill

ハイウェイを降り、Page Mill Roadという峠道をくねくねと登っていく。集合場所が、ウェブサイトを見ても「Skyline Ridge の駐車場」としか書いていないので、いまいち正確な場所がわからない。Google Maps上のSkyline Ridge Open Space Preserveの住所に向かってみるが、はたしてここが駐車場なのかどうか。まあ行ってみて合流できなければ普通に歩けばいっか、などと言いながら 10分遅れで到着。6−7人くらいが集まっているのが見えて、それがツアーの人たちだった。無事に合流できた。

真ん中の人が、Oakのどんぐり(acorn)がいろいろ入った箱を持っていて、みんなで覗き込んでいる。見分けるには、どんぐり本体の形ももちろんあるけど、かさの部分をみると、ほらね、こんな違いがあるのよ、という話をしている。みんな揃ったようなのでガイドの人たちが自己紹介をはじめたのだけど、よくみたら参加者よりもガイドの方が多かった。森を眺め、背が高くて尖ってるのがDouglas firで、丸くもこもこしてるのがOakなのよ、さあ近くで見てみましょう、と歩きはじめる。

moss

ずっとこういう道を歩きたかったのだ。Pinterestで”forest path”で検索して出てきた写真を眺めて待ち望んでいたので、うれしい。 雨は降ったり止んだり、といってもレインジャケットのフードをかぶればぜんぜん問題ない程度で、むしろ白くけぶった森の小径は幻想的。木についた菌類みたいなのや苔を見たり、Woodrat の巣を見たりして、池に出た。ガイドのマダムたちが代わる代わる目につくものを説明してくれる。でも単語を知らないと「これは◯◯◯なのよ、△△が□□で」ってかんじなので、半分くらいはわからない。

Lake

池に向かう途中、カリフォルニアイモリ(California Newt)をたくさん見た。「ほら、このsalamanderはCalifornia newtっていうのよ。いまは繁殖期(breeding season)で、水の中でbreedingするの。あ、毒があるからね」といいつつ、みんな、うれしそうにイモリを見てit’s cuteとか言ってる。毒があるからもちろん触らないほうがいいんだけど、イモリエキスパートらしきガイドさんが捕まえて近くで見せてくれた。オスのほうが大きくてしっぽがブレードのようになっている。おなかはオレンジ。かわいい。毒あるけど。

Newts

Oakの葉っぱによる見分け方講座。葉の周りに深いギザギザ(lobes)があるかどうか、ギザギザが尖ってる(pointed)のがBlack Oakで、丸い(rounded)のがWhite Oak。緑の大きな葉っぱと真ん中の小さな緑の葉っぱはおなじ種類のLive Oakなんだけど、背が低い木につく葉にはトゲ(spine)があり、大きい木の葉にはトゲがない、って言ってたような気がする。たしか。裏が緑なのは、たぶんInterior Live Oakで、裏が白っぽい(silver)なのがたぶんCoast Live Oak、またの名をCalifornia Live Oak。あとから調べなおして書いてるんだけどもしかしたら違うかも。次回はペンとメモを持って行くべきかも。

Oak leaves

Handicapped parkingのそばの、大きなLive Oakの木。ここが折り返し地点。

Live Oak

途中まで引き返したら別の道を登り、Douglas Firの森を抜ける。見上げて息を吸い込む。

Douglas fir forest

これは若いDouglas Fir。 まつぼっくりも小さい。

Young Douglas fir

森を抜けて下って行くと、そこにはお隣のChristmas Tree Farmが広がってた。もう3世代か4世代、ここでクリスマスツリー農場をやっているらしいのだけど、敷地の一部を州が買い取って、もとの自然に近い森を再生しようという活動をしているらしい。斜面の水の流れがうまくいくように小さい池と短い水路を作ったり、ボランティアやガールスカウトと一緒に植林をしたり。

どんぐりから植えた若いOakをいくつか見せてもらった。小さいと葉っぱも小さくてトゲトゲしていて、別の種類に見えるけど、これがOakなのね。このあたりは11月から2月が雨期なので、雨が降る時期に合わせて秋に植えるんだって。それ以外の時期に植えると、水が足りなくて枯れちゃうらしい。苗ではなくてどんぐりから植えるのも、苗から植えると雨期でも水が足りなくて死んでしまうとか。

Christmas tree farm

クリスマスツリー狩りをはじめて聞いたときは、たった1ヶ月くらいの飾りにするだけのために木を切るなんて!と思ったけど、収穫するために栽培してるんだからカボチャ畑と一緒だよ、と言われればまあそうなのかもしれない。実を収穫するのと幹を切るのとでは栽培サイクルがぜんぜん違うだろうし、なんか腑に落ちないものがあるけど。

今回説明を聞いたら、この農場と自然保護区は平和に共存するためにいろいろ工夫しているっぽかった。ツリー狩りも、幹を切るときは再生するようにちょっと上の方で切るとか。役目を終えた木はどこへ行くんだろう?と思ったらリサイクルされると言ってた。あとから調べたら、腐葉土とかコンポストとかになるらしい。

クリスマスツリーに使われる木は地域によっていろいろで、この農場だとDouglas firとかScotch pineとか。モミの木だけではなく、マツとかスギとかの仲間もクリスマスツリーになるらしい。クリスマスの匂い、っていうのは素敵そうだし生木のリースは欲しいと思うけど、やっぱりこの時期だけのために毎年幹を切るっていうのは抵抗あるなあ。

まあとにかく、アメリカの家庭ではフレッシュツリーは一般的で、毎年3,500〜4,000万本売れるらしい。この日も、狩ったツリーを車の屋根にくくりつけて山を下っていく車を何台も見た。ちなみに、生木を飾るのは、香りがすばらしいからなんだって。檜のお風呂の香り最高だわ〜みたいなかんじなのかしらね。




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Yuko Honda Morita (yukop) : yukop.com
飯能→東京→シリコンバレー。夫と猫2匹と暮らしてます。作ったり学んだり踊ったりするのが好き。
Born in Japan, living in California with my husband and two cats. "A bit of a geek and a bit of a geek fan and a bit of an artist." ->

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