Stranger in Wonderland

Dark

先週 Menlo Park のダイナーに朝ごはんを食べに行った帰り、商店街をぶらぶら歩いていたら “Saturday Twilight Concert / Steely Dan” という文字が目に入りました。えええええ!Steely Dan ってあの Steely Dan!?と走り寄ってポスターをよくよく見たところ、Steely Dan & Chicago の Tribute band である Aja Vu というバンドでした。

ああ、なるほどね…本物じゃなくてトリビュートバンドだったのね。こんな小さい街の小さい公園に本物来るわけ無いよね…でも本物じゃなくてもきっと楽しいよ、ほら、高校生のとき飯能ぺぺにビートルズのコピーバンド来たの見にいったけど、かっこよかったじゃん!それで所属していた市民楽団のドラマーに「ビートルズのCD貸して」ってたくさん借りて聴いてたじゃん!こじんまりした街の商店街イベントも田舎暮らしの醍醐味だよと気を取り直し、夫を誘って見に行くことにしました。そういえばあのときKさん、なぜか Steely Dan の Aja と Gaucho も貸してくれたんだった。当時はその音楽の格好良さはよくわからなかったけど、Donald Fagen の The Nightfly のジャケには超憧れてて、田舎の高校生にとっては大人のアーバンライフの象徴でした。「わたしもこんなふうになりたい!」と思ってたものです。

その翌日、Google Now がさりげなくものすごい情報を出してきました。Steely Dan, July 8, 9, Mountain Winery Saratoga ここから30分。ええええ!本物?明日と明後日?しかも山の上のワイナリーの野外音楽堂?なにそれすてきすぎる!スクリーンショット撮っておけばよかったけど興奮してそれどころじゃなかった。これは行くしかない。いますぐ手配しないと。と思い夫に連絡し、ひとりで行ってくる許可を得ました。

$65~ となっていたけど、オフィシャルサイトに残っていたチケットは $150 から。ううう。いろいろ探したら StubHub でちょっと安く売ってたので、購入!

さて当日。駐車場が混むので早めに行った方がいいというレビューがあったので、開演一時間前くらいに到着するように出発。Google Maps で確認するとかなりくねくね山道だし、道の名前が “Pierce Rd” (とがったもので突き刺し道)ってだいぶ不安を煽られる。Pierce Rd に入ってすぐはまだそれなりに広さもあり、Hump(減速させるためにもうけられたコブ)がときどき出現するくらいで、なあんだこんなもんなら大丈夫。と思ってたら、あれよあれよという間に道がどんどん狭くなり、カーブごとに 15 MPH の黄色い看板が出てたりで、すれ違うのにかなり注意しなければ怖いくらいになってきました。うわーこれ帰り真っ暗だよね、帰れるのかなぁこわいわーとか思いながら山のてっぺんの駐車場まで。Parking 代は $20、事前予約の良い場所だと $30 かかります。

さすがくねくね道を上がってきた山のてっぺんだけあって、眺めが最高。山肌に緑色のワイン畑、その下には街並みが広がっています。この景色のためだけでも上がってきた甲斐があったものです。駐車場のそばの木の下でピクニックをしているグループもいくつかあります。シートを敷いてお弁当を囲んでいる人たちもいれば、持参したテーブルと椅子を囲んでワインを飲んでる人たちも。こんな景色を眺めながら外で飲むなんて気持ちよさそう。カメラを持ってきましたが、会場内にはカメラ類、電子機器類持ち込み禁止、携帯電話のみOKとのことなので、車のトランクに残していきました。

ワイン畑沿いの坂道をてくてく歩いて行くと、右手にコロッセオ風の会場が見えます。野外ステージを半円形に囲むように観客席があります。わくわく。会場の外にはドリンクやフードの屋台、Tシャツなどのグッズ販売の屋台、救急屋台などが並んでいます。チケットを確認したら舞台上手側、真横の席でした。真横だけど、舞台にはわりと近いし、ちょっと高い位置から見渡せます。前座の人たちの演奏が終わり、トイレの列に並んだらうしろのおばちゃんが興奮を抑えきれない様子で「Steely Danのコンサート見たことある?」(周りのみんな)「No」「あたしは14回目よ!これは2003年のツアーの時のTシャツなの。ドラマーがすごいのよ。Keep an eye on the drummer!」

Sky

ついにおまちかねの Steely Dan! いつの間にか満席になってる!ステージにリズム隊とホーン隊が出てきて演奏をはじめ、客席の熱気がどんどん高まっていきます。前の方の席の人が通路からステージ横をのぞきこみ、キャー!って顔をした次の瞬間、コーラス隊のゴージャスな三人娘を引き連れて、Walter Becker と Donald Fagen の大御所登場!

みんな揃ったところで Black Cow、そして、Aja、ときて Hey Nineteen。ふたりともすっかりおじいちゃんだけど超格好良い!Donald Fagen の声は若いころとはもちろん違うけどやっぱり Donald Fagen の声で、20年前にはじめて聴いたあの音楽を作ってる人が目の前にいて演奏しているという感動に打ち震えて思わず笑っちゃたのでした。たのしい!白髪に黒いシャツ、黒い細身のパンツにたぶんNikeの赤いスニーカー、かっこいいなー。さすがフロムNYCだわ!Hey Nineteen の間奏で Walter のラップ風MC、シリコンバレーいえーい!とか言ってたけどほとんど聞き取れずくやしい。

コーラス三人娘の真ん中の黒人女性が超セクシーで目が離せませんでした。全体的にぎゅっと詰まった身体で、ぷりぷりの美尻からすらりと伸びた脚に10cm以上ありそうなヒール、そして動きがいちいち格好良い。あと、Aja Tを着たおばちゃんおすすめのドラマーは Keith Carlock でした。怒涛の荒波どんぶらこ、の一粒一粒がすごくくっきりしていて、超正確!というかんじでした。

7時すぎくらいにはじまり、空がだんだん暗くなっていき、月が明るく輝きはじめました。空の色が変わっていく様子を見ながら好きなバンドの音楽が聴けるなんて最高です。後半、ちらほらと立ち上がって踊っている人もでてきました。左前の方にヒッピーおばあちゃん2人組がいてノリノリで踊ってる様子がすごくたのしそうでよかったです。おばあちゃんになってもあんなふうに一緒にはしゃげる友達がいたらなあ!

当日のセットリスト。新旧織り交ぜていろいろやってくれたっぽい。新しい曲はほとんど知らないけど、なんていうか、すごく、同じだった!!

Tシャツ買わないつもりだったけど思わず買っちゃった。アメリカに引っ越してきてはじめて買った服が Aja T となりました。心配していた帰り道は、駐車場からぞろぞろ出る車の列のままにテールランプとヘッドライトに挟まれて走ったので、それほど怖くありませんでした。ほっ。生きててよかった。それにしてもまさか家から車で30分の山の上で Steely Dan が観られる日が来るなんて、20年前の高校生だった自分に言ったらどんな反応をするだろう。今夜のことは忘れられない思い出となるに違いありません。

Stage

やっぱり自分のサイト作っておきたいよね、と思い立って、yukop.com をつくり、その勢いでこのブログもちょこっとリニューアルしました。やっと誰のブログかわかりやすくなった気がする!

yukop.com

yukop.com では、自分の興味のあることや好きなことをぎゅっとまとめて見せたくて、言葉で表現するよりはヴィジュアルのほうが伝えやすいのではと思ったので、まずは写真をあつめて並べてみた。なんか、いまいち、散漫でまとまりがない。

というわけでイラストを描いてみることにしたのだけど、お絵かきなんてひさしぶりだしデジタルお絵かきツールを持ってない。紙に描いてスキャンだとあとから調整が面倒、トラックパッドで描くのはたいへん、Nexus 7 +ペイントアプリで指で描くのは指が太すぎてたいへん、といろいろ試aした挙句、タッチスクリーン用のスタイラスペンを買ってきた。これもそのへんの店で売ってる $5 くらいのやつなのでペン先は細くないけど、指よりはだんぜん描きやすい!結局、紙に描いて写真撮ったのを取り込んでトレースする、というところに落ち着きました。

LayerPaint

アプリは LayerPaint Zero というのを使いました。レイヤーが使えて、インポート・エクスポートができれば満足だったんだけど、必要なものは揃ってて余計なものはなくて、わたしの今回の用途にはぴったりだった!うっかりペンタブレットをカートに入れそうになってたけど、買わずにすみました。(8ちゃんのおともだちが作っているらしい。感謝!)

このブログ、なぜか無理して Jekyll を使ってるんだけど、Ruby だし何かあったときにわからなすぎるので今後どうしようかしらと思案中。あと Coursera で Python 入門のコースを修了したので、いまこそ昔のブログのコメント欄手術をするぜ(Movable Typeを使ってたのだけどスパムコメントが1エントリにつき2000件くらいになり、消そうと思っても再構築が途中で止まり、そのうち MT の管理画面にもログインできなくなり、面倒になって放置して月日が流れた)!

Stadium

スタンフォードの卒業式にいってきた。春学期に同じESLクラスをとっていた友人が教えてくれたのだけど、誰でも予約不要で入れるらしい。今年のスピーチはビル&メリンダ・ゲイツ夫妻とのこと。スタンフォード卒業式のスピーチといえば2005年のSteve Jobsがあまりにも有名。これは見てみたい!と、卒業生と全く関係ない立場だけど、ご近所さん数人に声をかけて一緒に見に行きました。

駐車場が混むから早めに行ったほうがいいらしい、と聞いていたので、8時開場、9時半スタート、のところ8時に家を出発。8時半すぎくらいに到着したけど駐車スペースはすぐに確保出来ました。スタジアムまで歩いて行って、席について、持参したおにぎりとから揚げと蒸し野菜の朝ごはん。レモネードやポップコーン売りがいたりして、スポーツ観戦しにきたみたいな気分になります。

時間がくると、学生たちが入場してきます。なんかみんなコスプレしてる……。スター・ウォーズのX-Wingらしきものとか、パイロン(工事現場にあるオレンジ色のコーン)とか、スペースシャトルと宇宙飛行士とか、ケーキとか、パックマンとかペンギンとか、とにかく祭りだわっしょい状態でした。この学部生の仮装行列はWacky Walkといって毎年恒例らしい。うってかわって、大学院生はいたってまじめに入場。 専門ごとにシンボルマークが旗になっていて、ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校の寮ごとの旗をちょっと思い出す。Science の人たちがいちばん数が多くて、MBAの人たちがいちばん声が大きかった。

ビル&メリンダ・ゲイツ夫妻は入場行進でも大人気で、手を振ると観客席がワーッと湧いてました。スピーチはOpitimismとかEmpathyとかすごく慈善家らしい内容で、でも、ふたりの出会いについての話がいちばんわかりやすくておもしろかったです。

「卒業式」と聞いて想像するような厳粛さはぜんぜんなくて、終始リラックスした雰囲気でした。吹奏楽っ子だった人、卒業式定番曲の演奏が聴けて懐かしい気持ちになれるのでおすすめです。「威風堂々」とか、ホルストの「第二組曲」とか。そういえば帽子を投げる光景は見れなかったのだけど、もしかして式典が終わったあとしばらく待ってたらみんな投げたのかしら。

Program

Water

Author

Yuko Honda Morita (yukop) : yukop.com
飯能→東京→シリコンバレー。夫と猫2匹と暮らしてます。作ったり学んだり踊ったりするのが好き。
Born in Japan, living in California with my husband and two cats. "A bit of a geek and a bit of a geek fan and a bit of an artist." ->

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