Stranger in Wonderland

6年ほど前に買った Birkenstock の Rowley がずいぶんへたって来たので、よし、新しいのを買おう。違う形がいいなー。Tokyo の白かわいいなー。Amazon にあるけど白だと合うサイズのがないなー。NJ 州の靴屋のオンラインショップにあるなー。だいじょうぶかなーここ。と一抹の不安をおぼえながらも、物欲に屈して注文したのが8月22日のことだった。

今思えば、注文確認メールがすぐに来なかったときから不吉な予感はしていた。その頃は9月頭の休暇に向けて忙しく、あれ、メール来ないな、と思ったけど、まあ数日中には来るだろう、と思ってそのまましばらく忘れていた。間に合えば旅行に履いていきたかったのになー、とちらっと思ったが、あまりに残業続きだったので、生きていくのに必要最低限のこと以外はめんどくさくて放っておいたのだった。

さて、旅行から帰ってきてすっかり元気になり、そういえば靴屋からいまだに音沙汰ないではないか、と思ったが、そもそも店の名前なんだっけ。Sなんとかだったような。そういえば注文するときにアカウント作ってたんだった。というわけでログインして注文履歴を見てみると、Order status: Pending となっている。クレジットカードの履歴を確認すると、9月4日に決済されてる。注文した8月22日からのこの微妙な間も気になるけど、まあそれは置いておいて、払ってるじゃん!なんで Pending? おーい!不吉な予感が的中している。

連絡しようとしたけど、注文してから何も連絡が来ていないので、サイトのお問い合わせフォームから連絡する(注文番号これこれですが、どんな状況か教えてもらえますか?注文の詳細はこれこれです)。そしてここでも問い合わせありがとうメール的なものは来ない。動いてんのかなこのフォーム。これが9月半ば。3日経っても連絡ないので、念のためもう一度お問い合わせフォームから連絡。さらに3日経っても連絡ない。あー、だめだねこりゃ。実店舗がメインで、オンラインショップの方はとりあえず作っただけでやる気ないのね。Twitter と Facebook も、アカウント作ってみたけど運用めんどくさくて以降放置、的なやつだった。仕方ない、電話するしかないかー、と腹をくくる(電話はただでさえめんどくさいし、東海岸のネイティブスピーカーはアジア人のあやしい英語に冷たいんじゃないか、という勝手な印象があるため余計にめんどくさい。カリフォルニアは移民が多いので、人々があやしい英語に寛容だと思う)。

9月23日(水)、朝、1回めの電話。留守電。しかもボイスメールの容量がいっぱいで録音できません、ガチャ。なにそれー。どんだけやる気ないのよー。これで連絡つかなかったらどこに文句言えばいいの?と途方に暮れながら、お昼休みにもう一度電話。そしたら……、人が出た!!よし!逃げられないように慎重に、あのーちょっとお尋ねしたいのですが、わたしのオーダーが Pending になってて、どういう状況か確認したいんです、と聞いたら、ちゃんと話が通じた。メーカーに在庫を確認して折り返し電話する、とのこと。東海岸だしやる気なさそうな店だし、冷たくされるんじゃないかと思ったけど意外と大丈夫だった(優しくも丁寧でもないけど)。ふー。在庫確認する前にお金とらないでくれよ、と思うけど、されてしまったものはしかたない。で、予想通り折電なし。

9月25日(金)、再び電話。またもや朝は留守電、昼にかけ直す。オーダーの件なんだけど、といったらすぐに「在庫なかった。悪いけどオーダーはキャンセルする。決済?されてないはずだよ。されてるはずがない(impossible!)」と妙に強い調子でまくし立ててくるので、納得行かないながらも、わかった、と一度切って、クレジットカードの決済履歴をもう一度確認する。やっぱりどうみても払ってるじゃん!てことでもう一度電話。さっき電話したオーダーの件だけど、確認したらやっぱり決済されてる。(名前とオーダーの品を伝えて)返金しくれる?と聞いたら、「あー、もしかしてカリフォルニア?ごめんさっきは違うお客さんと勘違いしてた。チェコの。いま接客中だから折り返し電話する」とのこと。チェコの!?名前聞かれなかったし通じてるのか怪しかったけど、やっぱり通じてなかったか。まあいいや、折電するっていうけど、してこないの知ってる。金曜だし、来週に持ち越すのも嫌なので、夕方また電話した。「メーカーに在庫を問い合わせ中で連絡をまってる。連絡来たら必ず折り返し電話するから。I promise.」というので、OK, sounds good. とひきさがった。ここで、ようやく私の本気度合いが相手に伝わってきた感触があった。今週中に決着つかなかったけど、電話で連絡がつくことはわかったし、勝ち目も見えてきたのでよしとしよう。

9月30日(水)、朝、着信。おおNJからだ!出ると、誠に残念なお知らせです。メーカーに在庫問い合せたらこの商品はアメリカではもう廃盤のようだ。申し訳ないけどオーダーはキャンセルするよ。ドイツのサイトからなら買えるかもしれない。とのこと。よっしゃ!返金してくれればそれでいいよ!君のところから買えないのはわかっていたから!と心のなかで叫び、OK ありがとう、と電話を切る。ついにここまで来た!このあと Amazon を見たら、Tokyo の白の欲しいサイズのが、あった。前はなかったけど、あった。すぐにポチりたいのをこらえ、自分に言い聞かせる。待て、まだ戦いは終わっていない。

10月2日(金)、口座を確認したら、返金されてた。これで長い戦いは幕を閉じた。さっそく Amazon で注文する。auto-confirm さんからのメールが頼もしく感じられる。そうなのそうなの。わたしこれ注文したのよ。わかってくれてる安心感。

10月8日(木)、来た。ついに、待ちに待った Birkenstock Tokyo の白がやってきた。かわいいよー。うれしいよー。Amazon 様々ありがとう。これからは、Amazon や他の大丈夫そうなサイトで見つからないからといって、やる気のなさそうなオンラインショップでは買わない。Tokyo の白、だいじに履くよ。




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Yuko Honda Morita (yukop) : yukop.com
飯能→東京→シリコンバレー。夫と猫2匹と暮らしてます。作ったり学んだり踊ったりするのが好き。
Born in Japan, living in California with my husband and two cats. "A bit of a geek and a bit of a geek fan and a bit of an artist." ->

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