Stranger in Wonderland

WooHoo

2014年2月1日に渡米して7ヶ月弱、このたび就職が決まり、翻訳会社で働くことになりました。仕事を辞めて配偶者の転勤についてきて、新しい土地で職を見つけるまでの記録です。

簡単にわたしのバックグラウンドを書いておくと、 約10年HTMLとかCSSとか書いたりしてて、直近は広告配信プラットフォームのサポートなど1年半、マーケティング8ヶ月で、TOEIC スコア 905。海外留学、在住経験なし。サポートやマーケティングは高度な英語でのコミュニケーション能力が必要になりそうということもあり、Front-End Web Developerのポジションを探したいけど、そのためには約3年のギャップを埋めつつ必要な技術や最新のWeb開発事情を勉強しなくては、さらに英語力も向上させなくては、うおお厳しいわー、という状況でした。

生活立ち上げのための事務手続き期

夫のビザはL1なので、その配偶者ビザということでわたしはL2です。アメリカで働くためには労働許可証、すなわち EAD (Employment Authorization Document)が必要になるので、申請して取得しました。社会保障番号、すなわち SSN も同日に申請して取得。

英語力向上期

3月に、元同僚にとあるポジションを紹介してもらい突発的にジョブインタビューに臨みましたが撃沈、その反省から、春夏は英語を鍛えるためにアダルトスクールに通ったり、Coursera のコースを取ったりしてました。

  • 3月下旬〜5月下旬、 Mountain View Los Altos アダルトスクールの ELS 春学期にて、Grammar & Writing と Conversation のクラス。
  • 4月上旬〜6月上旬、Coursera で Programming for Everybody を修了。
  • 6月中旬〜7月下旬、Coursera で Writing のコース を修了。ここで英語学習ブレイクスルー。
  • 7月初旬〜8月中旬、Santa Clara アダルトスクールの ELS 夏学期にて、Advanced Writing と Conversation のクラス。

春学期は、クラスメイトとの会話もぎこちなくて、ついていくのに必死でした。夏学期は人に話しかける敷居がさがり、気楽にコミュニケーションできるようになりました。春も夏も、会話のクラスは夜の時間帯だったので、働きながら ESL(English as a Second Language) クラスにも通ってるという人も多くて、そういう人たちに仕事の話を聞いたり、励ましてもらったりできたのは良かったです。

夏のクラスで隣の席だった台湾女子が、同じく仕事を辞めて夫の転勤についてきて現在仕事探し中、という Web Designer だったこともあり、はじめて自分と近い境遇の人に会えて、だいぶ励まされました。Nova Job Center という施設で Resume や Job Interview のワークショップがあるよ、と教えてくれたのも彼女。

Conversation の先生には、Cover Letter 提出前にレビューをしてもらったり、Job Interview の練習にも付き合ってもらいました。「先生にお願いしたらきっとやってくれるよ」って話は、春学期のクラスメイトに聞いていたので、ためらいなくお願いすることができたし、先生もこころよく引き受けてくれました。最終的には Reference もお願いして、こちらもこころよく引き受けてくれました!ありがたや。自分がやろうとしていることをいろんな人に話しておくと、情報をもらえたり助けてもらえたり、いいことがある可能性が高まると感じました。

職探し開始から決まるまで

6月下旬〜8月上旬

この頃から気を取り直してふたたび職探し開始しつつ、最近のWeb開発の勉強計画も立てました。indeed.com とか Monster とかの大手求人情報サイトで探して、まずは5社ほど応募。

人材エージェントから1件連絡があり、応募したのとは別のポジションを紹介されました。某社の日本のデベロッパー向けのテクニカルサポートだそうで、Qualification 的には大丈夫そうだしトレーニングもある、ただ日本時間に合わせた勤務時間なので 4pm から 1am と。うーむ。夫と相談して、生活パターンを考えてみたけど、あまりにもすれ違いになってしまうので厳しいと判断し、返事をしました。そしたら、週5日のうち2日は、半分会社勤務、残り半分の夜の時間は自宅作業、ということもできるよ、と提案してくれたけど、それでもやはりすれ違いなので、丁重にお断りしました。

もう1件は、求人情報サイトに登録しておいたレジュメ経由で、日本のマーケティング会社のベイエリア出張所的なポジションの紹介。Cover Letter と Resume を送ったところ、別の候補者が選考に進んでいるので、その人が決まらなかった場合に改めて連絡します、とのこと。こちらも、日本時間に合わせた勤務時間、という話でした。

仕事探しは長期戦になると思っていたので、秋学期はコミュニティカレッジにいくつもりで Foothill College のプレースメントテストを受けました。結果は ESL のレベル1〜6のうち 5。6まで進んだら次は ネイティブスピーカーと一緒の English のクラスを受けられる、ということで自分のレベルを確認できたのはよかったです。先が見えたことで、早く ESL を脱したい!と思えるようになりました。ここではじめて駐車違反チケットを切られたのは痛い思い出です。$45!

8月上旬は、San Jose Jazz Summer Fest のボランティアに、勇気を出して行ってきました。非ネイティブの集まりの ESL ではない、普通のネイティブスピーカーの中に入っていくことに慣れたくて。アメリカ歴の浅い外国人相手とか関係なく、容赦なく早口で喋ってくるので、雑談は何言ってるのかわからない部分もあったけど、ビール係としての任務は完遂できたので自信になりました。ジャズを聞きにきているお客さん相手なので基本的にみんなご機嫌で、接客も見よう見まねでなんとかなって、楽しかった!

8月中旬〜8月下旬

8月12日に、Nova Job Center という職安的な施設(連邦政府資金援助を受けた非営利団体)のメンバーシップ登録&オリエンテーションに行きました。就職活動を4つのフェーズに分けて、それぞれにフェーズに向けたクラスやワークショップ、さらに1:1のキャリアアドバイジングもすべて無料で受けられます。なんてすばらしいの!ちなみに 1. Focus, 2. Resume & Application, 3. Job Search & Networking, 4. Interview, Negotiate となっています。わたしが受けたのは、最初のオリエンテーション、ウェルカムアポイントメント、インタビュー向けクラスとワークショップ、LinkedIn講座。アメリカ流就職活動を知るのにすごく役に立ちました。インターネット上にも図書館にも無料でアクセスできる情報がたくさんありますが、選択が難しいし時間もかかります。キャリアアドバイジングの専門家に効率よく教えてもらえるのはとても有用でした。

今回決まった翻訳会社は、8月5日にベイスポの求人欄で見つけ、8月6日に Resume(英語)を送り、翌日メールで連絡が来て(英語)その日の夕方に電話インタビュー(日本語)、8月18日に面接とテスト(英語)を受け、8月23日にオファーレターを受け取りました。

オファーレターが出たあとは、ネゴシエーションというフェーズがあるのだけど、わたしはオファーの内容に特に不満もなかったし、強気に出てみる勇気もなかったので、そのまま受けました。

職探し TIPS

図書館でいろんな種類の職探し本を借りて拾い読みしましたが、結果的には Nova Job Center がものすごく役に立ちました。クラスやワークショップの内容も素晴らしいし、キャリアアドバイザーに直接聞きたいことを聞けるのも、職探しをしてる人たちに実際に会えるのも、全部良かったです。

ネットワーキングは重要

Job Center で印象的だったのは、クラスの中で必ず隣の人と交流する機会をつくること。オリエンテーションもそうだったし、インタビュー向けのクラスでも、自己紹介や、自分の Summary Statement をお互いに言い合い、フィードバックする、という機会があり、Meet New People とか Networking とかいう言葉をよく耳にしました。 The Job-Hunter’s Survival Book という本には、ネット上の Job Posting から就職につながるのは 10% くらい、コネを利用した場合は 60~70% くらい、と書いてありました(数字はうろ覚えですすみません、でも確かそのくらい)。 アメリカはコネ社会と言われますが、本当にそうなんだろうなーという印象。

マーケット調査と戦略

どの職種を狙うのか。どのくらいの規模の会社を狙うのが良いのか、その規模の会社はどこに求人を出しているのか、などなど。会社について調べるには会社四季報的な ReferenceUSAAtoZdatabases というサイトがあり、契約しないと使えないけど図書館はたいていこういうの契約してるので、図書館カードホルダーになれば参照できるよ(詳しくはお近くの図書館のサイトへGO)、とか職種による給与レンジがどんなかんじかは GlassdoorSalary.com で調べられるよ、とかは教えてもらえてすごく助かった。仕事探しでの indeed.com, Monster, Claigslist, LinkedIn の使い分けとかについては Nova ウェルカムアポイントメントで触りだけ教えてもらいました。indeed.com とかの大手は、求人を出して数時間で数百件、1日で数千件くらい応募がある、というようなことを言ってました。Claigslist にはもっと小さい会社の求人とか、大きい会社の急募とかが出る傾向があるとのこと。仕事決まってなかったらこの Focus フェーズのワークショップも受けるつもりでした。

そんなことは知らず最初はけっこう indeed.com を見てましたが、そんなおそろしい競争率の中、競争相手には現地の人もたくさんいるし、キャリアのギャップもあるし、アメリカでの職歴も学歴もない、ということで語学力でも技術力でもほぼ勝ち目なし!しかも知り合いとかぜんぜんいない会社にアプライしてたし、そりゃあ返事来ません。なので、作戦を変更することにしました。

「日本語ネイティブスピーカーであることが武器になり、かつ今までの経歴を活かせる仕事を探す」

今回決まったポジションは、日本語スキルが武器になるものでした。ベイスポという日本人向けの媒体で求人を見つけたのも良かったのだと思います。それにしてもコネも業界経験もないわたしを正社員にしてくれたのだから本当にラッキーだと思います。あとからわかったのだけど、自社サイトの更新やマーケティング的な部分にも携わってほしいとのことだったので、新しいことをやりつつ、いままでやってきたことを活かせそうです。

レジュメとカバーレター

応募するためには、ポジションに応じて Resume も Cover Letter もカスタマイズする必要があります。時間もかかるし、自分の職歴を振り返って見つめ直し、自信たっぷりにアピールするように書くのはきつい作業ですが、ここはしっかり時間と労力をかけるべきところ。わたしは ESL の先生にレビューしてもらいましたが、今回仕事が決まらなかったら Nova Job Center で Resume 書くクラスを受けるつもりでした。ページ数もそうだけどフォーマットも良し悪しがあるらしくて(テーブルを使うと機械でうまく読めないからよくないとか言われた)、そういうのも教えてくれるっぽかった。結局行ってないので詳しくはわからないけど。

面接対策

Nova Job Center で面接への具体的な対策を教えてもらえたのは助かりました。

一般的な面接における、基本的な4つの質問に対する回答の作り方は、すごく役に立ちました。少なくともこれだけでもしっかり作って、すらすら言えるように練習しておけば、質問された時にどれかの回答に結びつけて自分の言いたい話に持っていく、ということがやりやすいです。資料はこちら、Interview Techniques @ Nova Job Center 。面接質問リストはぐぐると見つかると思うので、基本4つが用意できたら、バリエーションとして用意するといいと思います。

以下は、個人的に、今回聞けてよかったなーというアドバイス。

  • 新しいフィールドに挑戦する場合は、過去の経歴の中から Transfer できるスキルや経験を話す。
  • 自信がなくても否定的なことは絶対に言わない。できることにフォーカスする。
  • 面接はその場限りのショーと思え。実際働くことになったときに面接と同じ態度は期待されないから気にすんな。(これは学校の先生が言ってた。気楽になった)

こうして書いてみると、まだまだやれることは全部やったという状況には程遠く、タイミングと運が良かったな、というかんじです。人と会って自己紹介する時に、仕事探してるんだーって言うとか、先生にレジュメとカバーレターのレビューとインタビューの練習をお願いしてみるとか、職安的な施設に行ってみるとか、とにかく外に向かって動き続けたのがよかったのかなと思います。正社員になるのひさしぶりだし、自分で稼いで自分の銀行口座に定期的に給与が入ってくるのはひさしぶりです。うれしい。

就職祝いってことで、夫に寿司が食べたい、とお願いしてSushi Tomiに連れてってもらいました。半年以上ぶりのお寿司は、染みわたるおいしさでした。帰りの車の中でずっと、お寿司おいしかったねー、って言ってた。

さー、仕事がんばるぞー!

Sushitomi




Author

Yuko Honda Morita (yukop) : yukop.com
飯能→東京→シリコンバレー。夫と猫2匹と暮らしてます。作ったり学んだり踊ったりするのが好き。
Born in Japan, living in California with my husband and two cats. "A bit of a geek and a bit of a geek fan and a bit of an artist." ->

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